墓じまい後の遺骨はどうすればいい?供養の方法をまとめて紹介

公開日:2026/05/25 最終更新日:2026/05/28

「お墓の継ぎ手がいない」「遠方で管理が難しい」といった理由から、墓じまいを検討する方が増えています。しかし、長年大切にしてきたお墓を片付けたあと、取り出した遺骨をどのように供養すべきか迷ってしまうことも多いでしょう。そこで本記事では、墓じまいが増えている背景やその後の多様な供養方法、注意点について解説します。

現代社会で墓じまいを選択する人が増えている理由

かつては「お墓は代々家族が引き継ぐもの」という考え方が一般的でしたが、現在は少子高齢化や核家族化が進み、お墓を継ぐべき子どもがいなかったり、子どもがいても独身であったりすることが珍しくありません。

また、進学や就職を機に生まれ育った故郷を離れ、都市部で生活の基盤を築く若者が増えたことで、地方にある先祖代々のお墓を定期的に手入れすることが物理的に困難になっています。このような状況の中で、今の代で適切に対処しておかなければ、将来的に管理する人がいなくなり、お墓が荒れ果てて「無縁仏」になってしまうという不安を抱く方が増えています。

先祖を大切に思うからこそ、自分たちが元気なうちに責任をもって供養の形を整えようと、墓じまいを決断するケースが多くなっているのです。

墓じまい後の供養方法とそれぞれの特徴

墓じまいをして遺骨を取り出した後は、新しい場所で供養を続けることになります。最近では、管理の負担を減らしつつ、自分たちのライフスタイルに合った形を選べる選択肢が広がっています。

寺院や霊園に管理を任せる「永代供養墓」

永代供養墓とは、遺族や承継者の代わりに、お寺や霊園が遺骨の管理と供養を続けてくれるお墓です。お墓の掃除や法要などをすべて任せられるため、継ぎ手がいない方でも安心して利用できます。

一般的には他の人の遺骨と一緒に大きな石碑などに納められる「合祀(ごうし)」という形式が多いですが、一定期間は個別に安置されるプランもあります。墓石を建てる必要がないため、費用を抑えられる点も大きなメリットです。

屋内でお参りできる「納骨堂」

納骨堂は、屋内の施設に遺骨を安置するスタイルです。ロッカーのように仕切られた棚に収めるタイプや自動で遺骨が参拝ブースまで運ばれてくる最新の自動搬送式など、さまざまな種類があります。

天候に左右されず、駅から近いなど交通の便が良い場所も多いため、高齢になってもお参りしやすいのが特徴です。土地が限られた都市部でとくに人気が高まっており、管理の手間がかからないのも魅力のひとつです。

自然に還る「海洋散骨」

海洋散骨は、遺骨を細かく粉末状にして、海へ撒く供養方法です。お墓という特定の場所をもたず、大自然に還りたいという故人の遺志がある場合に選ばれます。墓じまいをしたあとに、お墓の管理という概念を完全になくしたい方に向いているでしょう。

すべての遺骨を撒くこともあれば、一部だけを撒いて残りは別の場所で供養することもあります。専門の業者がセレモニーを行ってくれるプランもあり、海を眺めるたびに故人をしのぶことができます。

植物を墓標とする「樹木葬」

樹木葬は、墓石の代わりに樹木や花、芝生などをシンボルとして、その周辺に遺骨を埋葬する方法です。里山のような自然豊かな場所だけではなく、最近では都心の霊園内にガーデニング風に整備されたタイプも増えています。

自然の中で眠りたいという願いを叶えられるだけではなく、承継者を必要としない永代供養の仕組みがセットになっていることが多いため、墓じまい後の新しい安置先として非常に注目されています。

身近で故人をしのぶ「手元供養」

手元供養は、遺骨を自宅に置いて供養したり、小さなペンダントなどに入れて身に着けたりする方法です。すべての遺骨を自宅に置く場合もあれば、納骨堂や散骨などほかの方法と組み合わせて、一部だけを手元に残す場合もあります。

お墓が遠くてなかなか行けない、あるいは故人を常に身近に感じていたいという方に選ばれています。ただし、将来自分が亡くなった後にその遺骨をどうするのか、あらかじめ計画を立てておくことが必要です。

墓じまいを行う際に気をつけておきたいポイント

墓じまいは単なるお墓の解体作業ではなく、親族間の感情や宗教的な手続きが深く関わります。スムーズに進めるためには、事前の準備が欠かせません。

親族や寺院とのコミュニケーションを大切にする

お墓は自分ひとりだけの問題ではなく、親族にとっても大切な場所です。独断で進めてしまうと「お参りに行こうと思ったらお墓がなくなっていた」といった大きなトラブルに発展しかねません。まずはていねいに事情を話し、全員が納得した形で進めることが重要です。

また、これまでお世話になったお寺に対しても、失礼のないよう早めに相談しましょう。感謝の気持ちを伝えながら、離檀(りだん)の手続きや閉眼供養(魂抜き)の相談を進めることが円満な墓じまいへの近道です。

費用とスケジュールに余裕をもつ

墓じまいには、墓石の撤去工事費だけではなく、新しい供養先への支払い、お寺へのお布施、さらには役所での「改葬許可」の手続きなど、多くの工程と費用が発生します。とくに繁忙期は石材店や工事業者の予約が取りにくくなることもあります。

また、遺骨の数が多い場合は、新しい納骨先で想定以上の費用がかかることも考えられます。情報収集を早めに行い、金銭面でも時間面でもゆとりをもって計画を立てることで、精神的な負担を減らすことができます。

まとめ

墓じまいは、先祖代々受け継いできたお墓を閉じるという大きな決断ですが、それは決して供養を止めることではありません。管理が行き届かなくなるリスクを避け、現代に合った新しい形で供養を続けるための前向きな選択です。永代供養や樹木葬、納骨堂など、自分たちに最適な方法を見つけることで、心安らかに故人をしのぶことができるようになります。家族でしっかり話し合い、納得のいく供養の形を整えていきましょう。

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