墓じまいは縁起が悪い?実際に起きたトラブルを紹介

公開日:2026/05/25

「墓じまいをしようと思う」と家族や親戚に打ち明けたとき、縁起が悪いと反対された経験がある方は少なくありません。先祖代々のお墓をなくすことに、漠然とした不安を感じる方は多いものです。しかし、正しい知識をもっていれば、墓じまいは決して恐ろしいものではなく、ご先祖さまを大切に思うからこその前向きな決断といえます。

墓じまいが縁起が悪いといわれてしまう背景

墓じまいを検討する際、周囲から「不幸になる」「バチが当たる」といった言葉をかけられ、不安になることがあります。なぜ、このようにネガティブな捉え方をされてしまうのでしょうか。その理由を紐解いていくと、日本人が古くから大切にしてきた価値観や変化に対する心理的な要因が見えてきます。

変化を恐れる心理とスピリチュアルな不安

多くの人が墓じまいに対して否定的なのは、これまで続いてきた形を変えることへの抵抗感が強いためです。とくに年配の方や親戚の間では、お墓を撤去することを「先祖を捨てる」と結びつけて考えてしまう傾向があります。

こうした考えから、何か悪いことが起こるのではないかというスピリチュアルな不安を抱き、それが「縁起が悪い」という言葉になって現れるのです。

罪悪感からくる体調不良の正体

墓じまいの前後で体調を崩すと「ご先祖さまのバチが当たったのでは」と心配する方がいます。しかし、多くの場合、その体調不良は過度な不安やストレスが原因です。お墓をどうにかしなければならないという長年の重圧や親戚との難しい交渉によって、知らず知らずのうちに心身が疲弊してしまうのです。

墓じまいを「悪いこと」ではなく、感謝を伝える「よいこと」として進めることで、こうした精神的な重荷を降ろすことができ、結果として心も体も健やかに保てるようになります。

本当に不幸なのは「お墓を放置すること」

スピリチュアルな不安を解消するために大切なのは、何が一番先祖に失礼なのかを考えることです。じつは、墓じまいをせずに放置し、誰もお参りに来ない「無縁仏」にしてしまうことこそ、もっとも避けるべき事態といえます。

荒れ果てたお墓のままにしておくよりも、永代供養墓や樹木葬など、管理が行き届く新しい形へと移してあげるほうが、ご先祖さまへの供養になるはずです。墓じまいは「お墓をたたむ」のではなく、時代に合わせた「供養のアップデート」だととらえ直してみてください。

墓じまいで実際に起きた深刻なトラブル事例

墓じまいそのものは決して不幸を招くものではありませんが、準備不足のまま進めてしまうと、現実的なトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。ここでは、とくによく見られる深刻なトラブルポイントについてくわしくご紹介します。

親族間で一生消えない溝ができるケース

もっともトラブルに発展しやすいのが、一部の家族だけで勝手に墓じまいを決めてしまうケースです。事前の相談なしに作業を進めてしまうと、あとから知った親戚から「大切な先祖をないがしろにされた」と激しい怒りを買うことになりかねません。

また、かかった費用の負担について事前に話し合わなかったために、金銭問題にまで発展し、親族関係が修復不可能になることもあります。独断で進めるのではなく、関係者全員の思いを汲み取ることが、心の平穏を守るために不可欠です。

寺院とのコミュニケーション不足による離檀料問題

長年お世話になってきた菩提寺との間で、離檀料をめぐるトラブルが起きることもあります。稀に、相場を大きく超える高額な費用を請求されることがありますが、その背景には、お寺側への配慮が足りなかったり、突然「辞めます」と伝えてしまったりするコミュニケーション不足があることがほとんどです。

お寺にとって檀家が離れるのは寂しいことであり、まずはこれまでの感謝を誠実に伝える姿勢が求められます。誠意をもって話し合えば、円満に送り出してもらえることが大半です。

石材店選びで失敗する金銭・環境トラブル

お墓の撤去を依頼する業者選びでも、注意が必要です。価格の安さだけで選んでしまうと、あとから身に覚えのない「追加料金」を次々と請求されるトラブルに見舞われる恐れがあります。

さらに深刻なのは、取り除いた墓石を山の中に放置するといった不法投棄を行う悪徳業者の存在です。

こうしたトラブルに巻き込まれると、依頼主である自分自身も後悔することになります。必ず複数の会社から見積もりを取り、信頼できる業者を見極めることが、安全な墓じまいには欠かせません。

トラブルを防ぎ円満に墓じまいを進めるための手順

墓じまいを成功させるためには、事前の準備が9割といっても過言ではありません。ここでは、大きなトラブルを未然に防ぎ、心穏やかに墓じまいを完了させるための流れについて具体的に解説していきます。

ていねいな説明と合意形成が第一歩

まずは、親族に対して墓じまいを考えている理由をていねいに説明することから始めましょう。いきなり結論を押し付けるのではなく、今後の管理の難しさや将来的な負担を減らしたいという思いを誠実に話すことが大切です。

反対派がいる場合は、無理に説得しようとするのではなく、時間をかけて相手の不安に寄り添い、少しずつ理解を深めてもらう姿勢が重要です。

菩提寺への早期相談と新しい供養先の選定

親族の合意が得られたら、次は早めに菩提寺へ相談に伺います。離檀の話はデリケートなため、電話だけで済ませず、直接足を運んで感謝を伝えるのがマナーです。

同時に、取り出した遺骨を次にどこへ納めるかも並行して検討しましょう。永代供養墓や樹木葬、散骨など、選択肢は多岐にわたります。

行政手続きと閉眼供養の実施

墓じまいには、役所での改葬許可申請などの公的な手続きが必要です。書類の準備には時間がかかることもあるため、余裕をもって進めておきましょう。

そして最後に行うのが、お墓から魂を抜く閉眼供養です。この儀式を執り行うことで、墓石はただの石へと戻り、ご先祖さまの魂は新しい場所へと導かれます。

最後に石材店による工事を経て、遺骨をていねいに新しい供養先へと移します。

まとめ

墓じまいをすることでバチが当たったり、不幸になったりすることはありません。むしろ、誰にも管理されず荒れてしまうお墓を放置することこそ、ご先祖さまにとって失礼な状態といえます。周囲との話し合いをていねいに行い、感謝の気持ちを込めて手続きを進めれば、墓じまいは家族の未来を明るくする前向きな選択になります。正しい手順を踏んで、大切なご先祖さまをよりよい環境で供養してあげてください。

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